チェルシーのジョアン・ペドロが攻撃の核として覚醒、8月月間最優秀選手賞を受賞

プレミアリーグは11日、8月度のEA SPORTS月間最優秀選手賞(MVP)にチェルシーのブラジル代表FWジョアン・ペドロを選出したことを発表した。今シーズンのチェルシーは、新しく指揮官に就任したシャビ・アロンソ監督のもとで大きな変革期を迎えているが、その新体制において最も眩い輝きを放っているのがジョアン・ペドロである。開幕から2試合という非常に短いスパンの中で、彼は2ゴール2アシストという圧巻のスタッツを叩き出し、新生チェルシーの強力なオフェンスを力強く牽引している。

アロンソ監督が標榜する戦術は、緻密な配置とパスワークによって相手守備陣を崩し切るスタイルだが、そのためには前線でターゲットとなりつつ、周囲の選手と高度な連携を図れる万能なアタッカーが必要不可欠となる。ジョアン・ペドロは、その完璧な回答としてピッチ上で機能している。彼は中央でのポストプレーだけでなく、流動的にサイドへ開いて攻撃の起点を作り、好機と見るや自らボックス内に侵入して卓越した決定力を見せる。昨シーズンのチェルシーは攻撃の連動性に課題を残していたが、今季のジョアン・ペドロのダイナミズムは、その課題を完全に解消しつつある。彼のこの爆発的な好調ぶりは、チェルシーがシーズンを通じてタイトル争いに加わるための確固たる基盤となるはずだ。

ハル・シティのヤキロヴィッチ監督、並み居る名将を退け最優秀監督賞を獲得

一方、同日に発表されたバークレイズ8月月間最優秀監督賞には、ハル・シティを指揮するセルゲイ・ヤキロヴィッチ監督が選ばれた。現在49歳のクロアチア人指揮官は、アーセナルのミケル・アルテタ、チェルシーのシャビ・アロンソ、さらにはマンチェスター・シティのエンツォ・マレスカといった、リーグ屈指のビッグクラブを率いる錚々たる指揮官たちを抑えての受賞となった。この選出は、ファン投票と専門家委員会による厳格な審査によるものであり、ハル・シティが開幕期に見せたパフォーマンスがどれほど衝撃的であったかを裏付けている。

ヤキロヴィッチ監督が率いるハル・シティは、8月のリーグ戦2試合をすべて無失点での勝利で飾るという非の打ち所がないスタートを切った。とりわけ大きなインパクトを残したのは、シーズンの初戦となったホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦である。下馬評を覆す形で、ハル・シティはクラブ史上初めてトップリーグでレッドデビルズから勝利を挙げる歴史的な快挙を遂げた。ヤキロヴィッチ監督は組織的なミドルブロックを形成し、マンチェスター・ユナイテッドの強力な攻撃陣を完璧にシャットアウト。規律ある守備からの鋭いカウンターアタックという明確な戦術的プランを遂行させ、見事に白星を勝ち取った。

その勢いは衰えることなく、続く第2節、敵地でのコヴェントリー・シティ戦でもハル・シティは盤石の戦いを見せた。コヴェントリーとのプレミアリーグ初対戦という緊張感漂う一戦においても、ヤキロヴィッチ監督のチームは集中力を切らさず、1-0というクローズドな展開を物にして2連勝を飾った。開幕2試合で勝ち点6を積み上げ、失点ゼロという堅守は、ヤキロヴィッチ監督の卓越した戦術指導と選手たちの高い忠実性を証明している。

ハルFWマクバーニーのクリエイティブな妙技とニューカッスルFWエランガのスーパーゴール

ハル・シティの好発進は、組織力だけでなく個人の創造的なきらめきによっても支えられている。同クラブのFWオリ・マクバーニーは、8月の「Adobe Express Creative Moment of the Month(月間最優秀クリエイティブ・モーメント賞)」を受賞した。マクバーニーのこの受賞理由は、開幕のマンチェスター・ユナイテッド戦で披露した非常に洗練された個人技に起因している。

中盤の狭いエリアでボールをキープしたマクバーニーは、相手の激しいプレッシングを物ともせず、持ち前のキープ力を発揮。相手の守備の要であるユーリ・ティーレマンスやブライアン・ムベウモからの激しいコンタクトを、繊細なボールタッチと鋭いステップワークで巧みにいなしながら突破を試みた。そのまま自らドリブルで前進して敵のディフェンスを引きつけ、左サイドをオーバーラップしてきたライアン・ジャイルズへとピンポイントのパスを送り、決定的な決定機を演出した。この一連のプレーは、ヤキロヴィッチ監督の戦術に不可欠な「個の打開力」を示すものであり、ハル・シティの攻撃における技術的クオリティの高さを示した。

さらに、8月のプレミアリーグ「Guinness Goal of the Month(月間最優秀ゴール賞)」には、ニューカッスル・ユナイテッドの快速ウインガー、エランガが選ばれた。エランガが放ったスーパーゴールは、チームを率いるマティアス・ヤイスレ監督が志向する素早いトランジションと縦への推進力を完璧に体現したものだった。彼の圧倒的なスプリント力から繰り出された一撃は、ニューカッスルのサポーターを熱狂させ、シーズン初期におけるチームの勢いを決定づけるものとなった。ヤイスレ監督のもとで戦術的な役割が明確になったエランガは、今後もニューカッスルの攻撃に彩りを加える存在として大きな注目を集めるだろう。

8月の受賞者たちが示す、今後のプレミアリーグの戦術トレンド

これらの8月の賞レースの結果は、今シーズンのプレミアリーグが単なる「持てる者」の独壇場ではなく、中堅・昇格組クラブが最新の戦術トレンドを引っさげて大番狂わせを起こし得る、非常に拮抗したリーグであることを示唆している。ヤキロヴィッチ監督が見せた、統制された守備組織とマクバーニーに代表される個の技術的ハードワークの融合は、強豪相手にも十分に通用することを示した。

一方、シャビ・アロンソ監督のチェルシーで見せたジョアン・ペドロの躍進は、戦術的な流動性が現代フットボールにおける最大の武器であることを示している。今後のリーグ戦においては、ヤキロヴィッチ監督率いるハル・シティがこの堅守をどこまで維持できるか、また、アロンソ監督とジョアン・ペドロのホットラインが強豪相手のビッグマッチでも猛威を振るい続けることができるかが焦点となる。8月の個人賞に輝いた者たちの活躍は、今シーズンのプレミアリーグが紡ぎ出すドラマのほんの序章に過ぎず、今後さらに深まる各指揮官の戦術の応酬から目が離せない。