オールド・トラフォードでの壮絶な打ち合い
プレミアリーグ第2節が現地時間30日に行われ、マイケル・キャリック監督率いるマンチェスター・ユナイテッドと、Gary O'Neil監督が率いるイプスウィッチがオールド・トラフォードで激突した。開幕節で黒星を喫したユナイテッドに対し、昇格組ながら好調な滑り出しを見せていたイプスウィッチが果敢に挑む展開となった。試合は序盤から激しい攻防が繰り広げられ、アウェイのイプスウィッチが先制点を奪う波乱の立ち上がりとなった。
両チームの置かれた状況は対照的だった。ホームのユナイテッドは初戦での黒星を受けており、オールド・トラフォードのサポーターの前で早期の立て直しを証明しなければならないプレッシャーを抱えてピッチに立っていた。対するイプスウィッチは、Gary O'Neil監督の下で組織的な守備と鋭いトランジションを武器にプレミアリーグの舞台へ適応しつつあり、失うもののない挑戦者として立ち上がりの主導権を握る狙いが明確に見えていた。試合開始のホイッスルとともに、イプスウィッチの中盤はコンパクトな陣形を維持し、ユナイテッドのビルドアップに対して鋭い制限をかけていく。
前田大然の奮闘とイプスウィッチの先制点
イプスウィッチの左サイドハーフとして2試合連続の先発出場を果たした前田大然は、立ち上がりから持ち前のスピードをいかしてピッチを奔走した。前半22分には裏へ抜け出してゴールを脅かすなど、敵地オールド・トラフォードで強烈な存在感を放つ。そして迎えた29分、右サイドを突破したアブドゥル・ファタワの折り返しに反応したリーフ・デイビスが左足で合わせ、イプスウィッチがリードを奪うことに成功した。
前田の献身的なチェイスと縦への推進力は、ユナイテッドの右サイドバックに常に脅威を与え続けた。ボール非保持時におけるスプリンターとしての能力だけでなく、ネガティブトランジションの局面でも素早く守備の網を構築する原動力となっていた。アブドゥル・ファタワが右サイドで数的優位を作り出した場面では、中央やファーサイドへ走り込む選手の視野を広げる役割を果たしており、先制点につながった崩しの起点はまさにイプスウィッチの戦術的狙いが結実した瞬間だった。リーフ・デイビスが冷静に流し込んだ左足のシュートは、アウェイチームに確かな手応えをもたらした。
キャプテンの輝きと逆転劇の行方
主導権を握られたマンチェスター・ユナイテッドだったが、前半終盤に主将ブルーノ・フェルナンデスがチームを救う。ペナルティエリア手前から左足の強烈なシュートを突き刺し、試合を振り出しに戻して前半を折り返した。後半に入るとホームチームの攻勢が強まり、迎えた57分に試合が動く。ハリー・マグワイアのシュート性のボールがネットを揺らし、VARによるハンドの確認が行われたもののゴールが認められた。直後にはペナルティキックから再びブルーノ・フェルナンデスが沈め、瞬く間にリードを広げた。
マイケル・キャリック監督はハーフタイムを経てチームの立ち位置を微調整し、より高い位置でボールを回収するアプローチを選択した。これが中盤のダイナミズムを生み出し、ブルーノ・フェルナンデスがよりゴールに近いエリアでボールに触れる回数が急増する。前半終了間際に放った同点弾は、停滞していたチームの雰囲気を一変させる強烈な一撃だった。さらに、後半開始直後の連続得点はユナイテッドの圧倒的な勝負強さを浮き彫りにした。ハリー・マグワイアのゴールに絡む機動力と、ペナルティスポットから冷静にネットを揺らした背番号8の技術が、試合の潮目を完全にホームチームへと引き寄せた。
後半の畳み掛けと試合の決着
勢いに乗るユナイテッドは、相手のミスも見逃さずに攻撃の手を緩めない。68分には混戦からブルーノ・フェルナンデスがこの日3点目となるゴールを奪い、ハットトリックを達成して勝利を大きく手繰り寄せた。イプスウィッチも選手交代で反撃を試みたが、終盤にはブライアン・ムベウモにもゴールが生まれ、後半アディショナルタイムにチュバ・アクポムが1点を返すにとどまった。最終スコアは5-2となり、マンチェスター・ユナイテッドが地力の違いを見せつけて今季初白星をつかみ取った。
3点ビハインドとなったイプスウィッチはベンチワークを駆使し、前線のメンバーを入れ替えてプレス強度の維持を図ったものの、ユナイテッドの攻撃陣が発揮する個のクオリティを最後まで受け止めきれなかった。ブライアン・ムベウモがゴールキーパーの頭上を抜く技ありのシュートでダメ押し点を奪うと、試合の趨勢はもはや覆らないものとなった。終盤にチュバ・アクポムが意地の1点を返したものの、ゲームを通じて見せたユナイテッドの破壊力は、今後の長丁場を戦う上で確かな自信となる内容だった。