序盤の連続弾で主導権を握ったニューカッスル
セント・ジェームズ・パークで行われたプレミアリーグ第5節、ニューカッスルはホームでハル・シティを迎え撃った。今季の開幕から試行錯誤が続くマティアス・ヤイスレ監督のチームは、この試合でも相次ぐ負傷離脱者によって野心的な若手起用を余儀なくされていた。ピッチ上の選手たちは、試合前からスタジアムを包み込むファンの熱狂的な歓声に応えるかのように、立ち上がりから鋭い出足を見せる。試合が始まってわずか3分、ゴール前でこぼれ球に反応したジョー・ウィロックが正確なシュートを流し込み、ホームチームが均衡を破った。さらにその4分後には、左サイドから攻め上がったルイス・ホールが鋭いミドルシュートを突き刺し、スコアを2-0とする。最初の10分足らずで2点のリードを奪う展開は、直近の試合で不安定な立ち上がりを見せていたチームにとって理想的であり、タインサイドのサポーターに大きな安心感をもたらした。プレシーズンから課題とされてきた試合への入り方の部分で、この日は理想的な形でゴールが生まれ、選手たちの動きにも明らかに自信が宿っていた。
ハルの反撃と交代策の意図
一方、今季のプレミアリーグで無敗を維持してきたセルゲイ・ヤキロヴィッチ監督率いるハルは、立ち上がりから想定外の乱れに直面した。前節のチェルシー戦で頭部を負傷したノベル・メンディが脳震盪プロトコルの適用によりメンバー外となり、守備網の再構築を強いられたハルは、ルカ・ヘリントンをセンターバックに抜擢。さらにソルバ・トーマスがプレミアリーグ初先発のピッチを踏むなど、アウェイチームのピッチ上にはやや公式戦での連係不足が漂っていた。ニューカッスルのハイプレスと猛烈な勢いに呑まれ、最初の数分間で最終ラインの距離感が崩れ、そこを鋭く突かれる形となった。しかし、昇格組のハルはそこで気落ちすることなく、セルゲイ・ヤキロヴィッチ監督がベンチからジェスチャーで指示を送り続けながら、徐々に中盤でのボール保持率を高めていく。ニューカッスルの若さゆえの脆さや、試合終盤に向けた体力的消耗を計算に入れ、前半の後半からはサイドを起点とした反撃の糸口を探り始めた。中盤の底でバランスを取りながら、サイドハーフとの連係でニューカッスルのサイドバックの背後を突く回数を徐々に増やしていった。
後半の戦術的変化とハルの猛追
ハドルルームでの指示を経て迎えた後半、試合の構図は明確に変わり始める。ハルは前線の配置を微修正し、よりダイレクトにニューカッスルの最終ラインの背後を狙い始めた。ニューカッスルの中盤が運動量を落とし始めた時間帯を見逃さず、セカンドボールの回収率を高めたアウェイチームが敵陣でのプレー時間を増やしていく。迎えた67分、ハルのベンチワークが実を結ぶ。途中出場でピッチに入っていたモハメド・アリ・チョーが、ペナルティエリア内で相手ディフェンスの隙を突く巧みな動き出しからシュートを沈め、1点差へと詰め寄った。このゴールによって、セント・ジェームズ・パークの空気が一変する。リードを守りたいニューカッスルは守備ブロックを自陣深くに形成せざるを得なくなり、ハルの一方的な波状攻撃を受ける展開となった。同点ゴールを狙うハルはサイドからのクロスやセットプレーを立て続けに浴びせ、ニューカッスル守備陣を幾度となく慌てさせ、試合は完全にアウェイチームのペースで推移した。
逃げ切ったニューカッスルと初黒星の重み
終盤の猛攻を耐え忍んだニューカッスルは、ピッチ上で経験の浅い選手たちをピッチ上のベテラン陣が鼓舞し、決定的なシュートコースを身体を張って塞ぎ続けた。ハルが繰り出した幾度もの決定機も、最後の場面での精度を欠くか、あるいはホームチームの執念のブロックに阻まれる。アディショナルタイムの数分間もハルは猛然とゴールへ迫ったが、スコアボードの数字が変わることはなかった。主審が長いホイッスルを吹き鳴らし、前半の2得点を辛くも守り切ったニューカッスルが勝ち点3をもぎ取る。一方、試合終盤の猛追及ばず敗れたハルは、今季のプレミアリーグにおいて初めて黒星を喫する結果となった。試合の入り方で優位に立ったニューカッスルが若さと勢いを結果に結びつけた一方で、試合途中からの戦術的対応力と粘り強さを見せたハルのポテンシャルをも示す、濃密な90分間として記憶されることになった。今季の長丁場を見据える両者にとって、この90分間で得た教訓と手応えは、次節以降の戦いへ確実に引き継がれていく。